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2026年04月22日

西新宿に丹下健三のDNAが宿るモード学園コクーンタワーの建築美

目次

新宿駅西口にそびえ立つ、巨大な「繭(まゆ)」をご存じだろうか。その名はモード学園コクーンタワー。東京の摩天楼でも異彩を放つこの建築は、単なる奇抜なデザインではない。そこには巨匠・丹下健三の意志を継ぐ設計者たちの苦闘と、学生を守るための最新技術が隠されていた。

巨匠の系譜、丹下都市建築設計が挑んだ「空飛ぶ学び舎」

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新宿の街に魔法をかけたのは、東京都庁舎も手がけた丹下都市建築設計である。彼らに課せられた使命は、地上200mを超える空に「創造の卵」を育てる場所を作ることだった。発注者であるモード学園のルーツ、服飾にちなんだ「繭」という形。しかし、それは建築の常識への挑戦でもあった。四角い箱を積み重ねる方が、はるかに楽で安上がりだからだ。それでも彼らは妥協しなかった。若者が社会へ羽ばたく前の、強く優しい殻が必要だと信じていたからだ。

地震を柳のように受け流す、最新の耐震構造と職人魂 

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この美しい曲線を実現するためには、最先端の「背骨」が必要だった。清水建設が施工を担当した現場では、1ミリの狂いも許されない緻密な作業が続いた。各階で大きさが異なる床、複雑に絡み合う網目状の鉄骨。それはまるで、巨大な工芸品を編み上げるような光景だった。さらに、この繭は驚くほどタフだ。内部には「オイルダンパー」と呼ばれる、巨大な油のクッションを配置。これが地震の揺れを柳のようにしなやかに受け止める。その実力は、竣工の3年後に発生した東日本大震災で証明された。高層ビルの多くが大きく揺れる中、この繭は静かに学生たちを守り抜いたのだ。

世界の建築賞が認めた、時代を先取る「未来への繭」 

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完成したコクーンタワーは、世界中の建築家たちを驚かせた。機能と美しさが高度に融合したその姿は、優れた高層建築に贈られる「エンポリス・スカイスクレーパー賞」を受賞し、日本を代表するランドマークとなった。今、この白い繭の中では、ファッションや美容、ITの世界を目指す若者たちが、未来への情熱を燃やしている。外から見れば静寂を保つ繭だが、その内側では新しい時代の胎動が刻一刻と刻まれている。丹下がまいた「都市の種」は、新宿の空で大きな繭となり、次世代を育むゆりかごとして、今日も確かな存在感を放っている。

建築とは、ただ人を収める器ではない。創り手の想いが形となり、そこに集う人々の未来を支える盾となるものだ。コクーンタワーの独創的な姿は、私たちに「常識を疑い、夢を形にする勇気」を語りかけている。新宿の空に凛と立つその姿は、明日を夢見る全ての人の背中を、今日も優しく、そして力強く押し続けているのだ。

モード学園コクーンタワー

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所在地 東京都新宿区西新宿一丁目7番3
階数 地上50階・塔屋2階・地下4階
敷地面積 5,172.27㎡
延床面積 80,903.43㎡
建築面積 3,509.86㎡
着工年月 2006年5月
竣工年月 2008年10月

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関連企業

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発注者 学校法人日本教育財団
設計者 株式会社丹下都市建築設計
構造設計者 オーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ・ジャパン・リミテッド
施工者 清水建設株式会社

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技術・工法 

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構造 鉄骨造(鉄筋コンクリート造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造)
高さ 204m
規模 地上50階・塔屋2階・地下4階

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