キャリア

2026年10月09日

仕事の難しさを「面白い」と捉えることでプレッシャーを乗り越える

この記事のポイント

  • 高校・大学で土木について学んだ
  • ネガティブな感情を前向きな興味へと変換する
  • 周囲の人々をうまく頼りながら、自分も頼られる技術者になりたい

目次

日本設計株式会社に勤める川島優太さんは、今年25歳の若き建設技術者だ。幼少期から父親の仕事の影響で建設の仕事に興味を持ち、高校・大学で土木を専攻。現在は、上下水道の設計や下水道点検業務などを担当している。学生時代、就職活動中に「幼い頃からの土木への興味が自分の人生の軸なのだと実感した」という川島さんに、上司である猪口公志さんから受けた影響や、仕事の壁に直面したときの乗り越え方、技術者として特に大切にしている指針などについて話してもらった。  

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※インタビュー前に、ご自身を形成したものや人について教えていただきました

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幼い頃から建設の世界が身近にあった

私は幼い頃からダンプカーやショベルカーなど「働く車」が好きで、ミニチュア自動車玩具で遊んだり、建設現場を扱った映像を見たりしていました。父が不動産業に携わり、施工前の土地などを扱っていたため、建設会社との付き合いも多く、自然と建設の世界が身近にあったのです。特に印象に残っているのは、私が小学校に入る頃に家を購入した際の外構工事です。知り合いの施工会社が工事を行い、作業員の方々から「ショベルカーに乗ってみるか」などと声をかけられました。その体験から、実際に外で何かをつくる仕事に魅力を感じるようになったのです。

幼少期から抱いていたそうした建設への興味は、中学生になる頃に具体的な進路意識へと変わりました。父のような仕事に就きたいと考えるようになり、土木系の工業高校へ進学したのです。当初は高校卒業後に就職する予定でしたが、学校の教員から「これからは大卒の技術者がより強みを持つ時代になる」と助言を受けたことを機に進路を変更し、専門的な知見を深めるために大学の土木系学科へ進学しました。

大学卒業後は千葉県にある会社に入社し、土木に関わる仕事を経験しました。その後、2025年12月から日本設計株式会社で働いています。転職を決めた背景には、より規模の大きな仕事に挑戦したいという思いがありました。弊社がある横浜市は港が近いこともあり、インフラ整備などで早急に対応すべき工事が多いと感じていました。日本設計の業績や手がけている仕事を調べる中で、大規模な設計を行っていることに魅力を感じ、「せっかくならそうした仕事に携わってみたい」と考えたのです。

「顧客第一」を念頭に置いて仕事に取り組む

現在は「技術本部 技術第一部」に所属し、上司である猪口部長の直下で上下水道の設計や下水道点検業務などに従事しています。水道業務においては、各家庭に水を供給する大もととなる「送水管」と呼ばれる口径の大きな管の更新工事に向けた設計を担当しています。一方、下水道業務では近年の気候変動で多発する浸水被害を未然に防ぐため、リスクが高いと見込まれる地域を対象とした浸水対策設計を行っています。

弊社の経営理念である「顧客第一主義」「技術の研さん」「安心安全な社会づくりに貢献」の中で、私が特に重視しているのは「顧客第一主義」です。顧客である官公庁や市役所の担当者が何に困り、何を求めているかを常に洞察し、期待以上のサポートを提供する姿勢を、猪口部長から日々学んでいます。例えば、少し早く出社して資料を修正しておけば、相手がスムーズに仕事を始められます。そうした小さな気遣いを積み重ね、周囲を支える「部活のマネジャー」のような存在になりたいですね。

実際の設計現場では、道路下にガス管や水道管など多種多様な埋設物が入り組んでおり、地形の起伏など複雑な条件も同時に考慮する必要があるため、毎日のように仕事の難しさと壁に直面しています。こうしたストレスやプレッシャーへの対処法として、私は誰かから指導や教えを受けた際に、心の中で語尾にあえて「面白い」と付け加えるようにしているのです。「難しい、できない」と考えてしまうとモチベーションが低下し、家に帰ってもネガティブな気持ちが残ってしまう。そこで、「難しくて面白い」と考えることで、ネガティブな感情を前向きな興味へと変換するのです。

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自分自身と誠実に向き合う姿勢を大切に

私は自分の長所を「素直さ」だと捉えています。猪口部長のように年齢の離れたベテラン社員たちと働く環境だからこそ、分からないことを素直に聞き、教わったことを吸収するように心がけているのです。将来、自分の年齢や立場が上がった際も、プライドに固執して頑固になるのを避け、今の柔軟性やコミュニケーション力を維持したいと考えています。また、困難な状況に直面したときこそ笑顔を忘れず、常に初心に返って自分自身と誠実に向き合い続ける姿勢を、今後のキャリアにおいても大切にしていきたいです。

私は猪口部長から大きな影響を受けています。例えば、現場では歩測などを使って楽しみながら仕事をする方法を教えてくれました。男気があり、かつ温かい人柄で、仕事だけでなく人としても大切にしてもらっています。私にとっては仕事の師であると同時に、父親のような存在でもあります。

もう一人大きな影響を受けた人物が、小学校6年生の時の担任教師です。当時、私は父を亡くし、環境が大きく変わる中で、思春期を前に少し荒れてしまうときもありました。そんな私に恩師は、「お前には情熱があり、周囲を元気づけられ、責任感が備わっている。その良さを自分で消してはいけない」と真正面から伝え、励ましてくれたのです。その恩師とは大学生の頃まで、年に一度ほど手紙のやり取りをしていました。今でも感謝しています。 

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上司の猪口公志氏と共に

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リフレッシュ方法は水泳と音楽鑑賞

プライベートでは、ストレス解消とメンタル維持のために、ほぼ毎日水泳をしています。6歳から続けている水泳は、全身運動として体を動かすだけでなく、水中で無心になることで瞑想に近い効果も得られます。1日の終わりにオンとオフのスイッチを切り替える方法として機能しており、泳ぎながらその日に学んだことや起きた出来事を冷静に振り返ることで、頭と気持ちを整理できるのです。

また、音楽鑑賞も私にとって大切なリフレッシュ方法になっています。気持ちが落ち込んだときによく聴くのが、現在は解散しているMOROHAというバンドの曲です。ギター一本の演奏と、語りかけるようなラップが特徴で、夢や希望だけを歌うのではなく、「自分もひたむきに頑張っているから、お前も頑張れ」と背中を押してくれるような彼らの音楽に引かれます。寝る前には久石譲さんの曲などを聴くこともあり、音楽を聴くことによって心を整えています。

モノづくりの楽しさを同世代に伝えたい

私が思う建設業界の最大の魅力は、自らが携わった仕事が街の一部として形に残ることです。年月が経ってから現場の前を通り、「ここは自分たちが設計した場所だ」と思えることもありますし、人々が日常的に使う、いわば「当たり前」をつくれることが、建設業ならではの魅力だと感じています。他方、建設業界の若手不足を解消するには、若者が抱いている業界のイメージを変えることが重要ではないでしょうか。デスクワークだけでなく、現場作業のアクティブさやモノづくりの楽しさを若者へ可視化して伝える必要があると考えています。

私自身の目標は、猪口部長に少しでも近づくことです。技術者を支えるために用いることが重要だと考えているAIを、業務効率化の手段として活用しつつ、自身の技術力を高め、単に資格を取得するのみならず、人間力も磨いていきたい。そして上司や周囲の人たちをうまく頼りながら、同時に自分自身も人から頼られる技術者になることを目指しています。


※2026年9月に取材した内容に基づき、記事を作成しています。

この記事でキャリアした方のプロフィール

  • 氏名:川島 優太(かわしま ゆうた)氏
  • 所属企業名:日本設計株式会社
  • 従業員数:約30人
  • 職種:技術職(上下水道設計、下水点検等)
  • 年代:20代

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