キャリア

2026年01月28日

紆余曲折を経たからこそ、今の自分がある  40代後半の建設技術者が語る「継続は力なり」

30歳になったことを機に、9年間勤めた小売業界から建設業界に転身。その後も勤務先の倒産を経験するなど、紆余曲折を経ながら建設技術者としてのキャリアを築いてきた今井毅さん。建築積算、土木設計と、20年近く建設の仕事に従事してきた今井さんは現在、水環境分野のグループ長としてマネジメント業務も担当している。これまで様々な壁や困難に直面しながらも、「諦めずにやり続ける」をモットーに乗り越えてきたという今井さんに、建設技術者として大事にしていることや、キャリアを継続するために重要な点などについて語ってもらった。

目次

>>>> 

04imai.GIF
※インタビュー前に、ご自身を形成したものや人について教えていただきました

<<<< 

30歳の時に小売業界から建設業界へ転身

私は建築系の学校を卒業したものの、当時は就職氷河期で希望する企業の内定が取れず、アルバイトをしていた流れで小売業に約9年間従事しました。しかし、その間も、以前から志望していた建設業界で働きたいという思いが消えることはありませんでした。それで30歳になった時に「このままではいけない」と考え、建設業界への転職を決意しました。転職した当初は業界未経験で不安もあったので、具体的なキャリアパスを描く余裕はありませんでした。

最初に就いた仕事は建築積算でした。業務では大量の知識習得が必要になりましたが、その課題をクリアすることで専門スキルを会得できたと思います。計算や図面の理解力が磨かれ、技術者としての基礎固めにもなりました。建築積算の仕事を8年続けた後、勤務していた会社が倒産したという事情があり、土木の会社からスカウトメールをいただいたのをきっかけに、土木設計の仕事へ移行しました。建築と土木は異なる分野ではありますが、「小売業から建設業に移るほどの大きな違いがあるわけではない。やってやれないことはない」と思い、大阪にある事務所で土木設計に携わることにしたんです。

日本シビックコンサルタントは自由度の高い会社

その後、横浜市にある地域密着型建設コンサルタントでの勤務を経て、全国規模の案件に携わりたいという思いから、より広いフィールドを求めて今の勤務先である日本シビックコンサルタント株式会社に転職しました。現在はグループ長として土木設計業務に従事し、自治体の下水道管やマンホールの設計・修繕などを手掛けるほか、部下の作業進捗管理やマネジメントも担当しています。水道管や下水道管など公共インフラの設計を通じて社会の安全と利便性を確保することを目指しており、2025年1月に埼玉県八潮市で発生した大事故のようなことが再び起きないために対策を講じながら、公共下水道を使う人々が不便しない設計を心がけています。

当社は勤務時間の融通が利きますし、やるべきことをきちんと果たす限り自分のペースで働ける自由度の高い環境です。例えば早く出社して早く退社するなど、個々の裁量が尊重される文化で、自身の性格に合わせた働き方ができる点も魅力ですね。 

>>>> 

03imai.webp
同じ会社に勤務する真部洋大氏と共に

<<<< 

「発注者から言われる前にやる」ことを大切に

建設技術者として私が大事にしているのは、「言われる前にやる」ことです。私はクライアントから指摘される前に、先手を打つことを心がけています。発注者の立場で考えると様々な心配が生じるのは当然のことなので、こちらからどんどんアクションを起こすべきだと考えています。これまでのキャリアを振り返ると、仕事観はあまり変化していません。私はいわゆる天才型ではないので、地道にやり続けることが一番だと考えており、「継続は力なり」という姿勢を貫いてきました。

私は、中堅からベテランの建設技術者がキャリアを継続するためには、自身の仕事に興味を持つことが重要だと思っています。仕事に興味が持てないと単にやらされている感じになってしまい、続けるのが難しくなるのではないでしょうか。私自身は知りたがりの性格で好奇心が強いこともあり、常にいろいろと調べるため仕事への興味を失ったことがありません。建築・土木の仕事というのは、どれだけ調べてもまだ足りないと感じるほど奥が深いものなのです。こうした、やりがいのある仕事に対して興味を持ち続けることで、長期的なキャリア形成が可能になると考えています。

未知の分野の知識習得や新技術に対応しなければならない際は、仕事の壁を感じることもあります。そういう時は、信頼できる人に相談したり、書籍や資料を読んだり、あるいは最近だとAIを活用したりするなど、多角的なアプローチで壁を乗り越えるように心がけています。この業界で仕事をしていく限りは、常に勉強し続ける必要があると感じていますし、失敗を恐れず挑戦する姿勢が自己成長にもつながると考えています。

父親とバスケットボールからの影響

私が人格形成において大きな影響を受けたのは、「父親」と「バスケットボール」です。私の父も土木(橋梁)の仕事をしており、子供の頃に父と一緒に開通式へ行ったりした経験は今の仕事に影響しています。父は口数が少なく何事もコツコツやる人で、その姿勢は自分と似ている部分もあると感じています。高校はバスケットボールの推薦で進学しました。当時、体育会系の部活はそれこそ地獄のような厳しさで(笑)。そこでフィジカル以上にメンタル面を鍛えられたことにより、ちょっとやそっとのことでは動じない精神力が培われました。おかげで、仕事で多少つらいことがあっても何とも思わないようになりましたね。今でも体を動かすことが好きで、週末にジムに通うなどして健康管理を行っており、大きな病気をすることなく健康を維持できています。

私の趣味は音楽鑑賞・映画鑑賞・スポーツ観戦で、オアシスやニルヴァーナ、Mr.Childrenなどの曲が好きです。映画は金曜日の夜、会社帰りに見に行くことが多いですね。上映中は他のことを忘れて没頭してしまうため、いろいろとリセットできますし、映画は「表現力」という点で建設の仕事にも共通していると考えています。

また旅行も好きでして、スペインのバルセロナを訪れた際に見たサグラダ・ファミリアはとりわけ印象に残っています。バルセロナは街並みも素晴らしかったですし、実物のサグラダ・ファミリアを目にした体験は設計者としての感覚や想像力を刺激され、仕事への意欲やアイデアにもつながりました。

>>>> 

02imai.webp

<<<< 

個々の技術者に過度な負荷がかからない働き方が理想

現在、建設業界は労働力不足や高齢化といった課題を抱えており、それらを解決すべくデジタル化や労働環境の改善が進められています。人材不足を補い効率的に仕事を回すためには、AIやデジタル技術の活用が不可欠です。様々な技術を駆使しながら、個々の建設技術者に負荷がかかりすぎない仕事の進め方ができるようになっていくことを望んでいます。

私は、建設の仕事は技術力があれば、他の仕事と比べても長く続けられると考えています。今後もこれまでと同様、「諦めずにやり続ける」をモットーに、勉強をしながら技術力を磨いて、目の前の案件に真摯に取り組んでいきたいと思っています。

※2025年11月に取材した内容に基づき、記事を作成しています。

この記事でキャリアした方のプロフィール

  • 氏名 : 今井 毅(いまい たけし) 氏 
  • 所属企業名 : 日本シビックコンサルタント株式会社
  • 従業員数 : 100~499人
  • 職種 : グループ長(課長級)/土木設計(上下水道)
  • 年代 : 40代

この記事のキーワード

Share


インタビューで取り上げた企業の求人情報

civic-consulting-logo.png

日本シビックコンサルタント株式会社

日本シビックコンサルタント株式会社は日本工営グループにおける「地下構造物のスペシャリスト」です。これまで数多くのトンネル建設と地下空間建設プロジェクトで先進的な技術を提供し、日本だけにとどまらず、世界の社会基盤整備に貢献しています。